Q1. 健康食品とサプリメントの違いはありますか。
A.健康食品の法律的な定義はありませんが、消費者庁では「健康に良いことを謳った食品全般」としています。サプリメントとは、特定成分が濃縮された錠剤・カプセル状・顆粒状等の製品を言うことが多いようですが、医薬品や医薬部外品ではありません。サプリメントは健康食品の1カテゴリーであり、健康食品(サプリメントを含む)は、健康の維持・増進を目的とした食品とお考え下さい。
Q2.健康食品で病気は治りますか。
A. 健康食品は、健康の維持・増進のために飲んだり、食べたりするものであって、病気を治すものではありません。病気と思われる症状のある方は医療機関を受診してください。
Q3.健康食品で健康になれますか。
A. サプリメント等の健康食品に期待しすぎることは禁物です。『バランスのとれた食生活』を心掛けることが大切です。あくまでも健康の維持・増進のサポート("援護射撃")のつもりで、ご使用下さい。
Q4.健康食品はいつ飲めばよいのでしょうか。またどれくらい飲めば効果がありますか。
A. 表示してある1日当たりの摂取量や摂取方法など注意事項をよく読んでお飲みください。健康食品ではある程度の継続摂取を想定したものが多いと思います。国が効果・効能を審査する特定保健用食品(トクホ)の場合、食後血糖や食後中性脂肪の上昇に対して短時間で作用するような場合を除き、12週間の継続摂取で製品の有効性を確かめています。ある程度の期間飲まれて効果を実感された場合、続けられてはいかがでしょうか。人によって合う合わないがありますので不都合な事が起きた時はすぐに中止してください。
Q5.お薬を服用中ですが、健康食品を摂っても大丈夫でしょうか。
A. 健康食品であってもお薬の種類や病気の内容などによっては、飲み合わせ(お薬の働きを強めたり、弱めたりする)に注意が必要な場合があります。お薬を服用中の方はあらかじめかかりつけの医師または薬剤師に相談してください。
Q6.健康食品は、量を多く摂ったほうが効果的なのですか。
A. 量を多く摂れば摂るほど健康に良い影響を与えるというわけではありません。特定の成分の過剰摂取になる可能性もあります。その場合、期待されている効果ではなく、むしろ健康被害に繋がることも考えられます。記載されている目安量の範囲でご利用下さい。
Q7.体の不調や健康を気にするあまり、つい多種類の健康食品を摂るようになりましたが、大丈夫でしょうか?
A. 何種類以上になると問題という基準はありませんが、種類(含有成分)が多ければ多いほど、特定成分の過剰摂取、医薬品成分との相互作用(効き目が強くなりすぎたり、弱くなったりする)の可能性も高まります。また、健康食品成分同士の相互作用も考えられます。こうしたことをご理解頂き、利用の目的とその目的に照らして本当に必要かどうかを良くお考えの上でご利用下さい。
Q8.効果を実感出来ず、摂取量を増やす代わりに、同じ効果のありそうな製品を追加しようと思いますが、問題ないでしょうか。
A. 同じ目的でサプリを複数製品使用することはお避け下さい。製品間で共通した成分が入っていると過剰摂取に繋がる可能性もあります。また、成分は違っても同じ仕組みで効果を発揮するような場合は、好ましくない作用も強まる可能性があります。
Q9.健康食品をしばらく飲んだら、何となく体の具合が悪くなりました。業者に問い合わせたところ、「好転反応であり、暫く飲み続けると効果を実感出来る」と言われましたが大丈夫でしょうか。
A. 健康食品については、“好転反応”に科学的根拠があるかどうかはっきりしません。業者は「一時的に体調が悪いと感じても、その内に効果を実感出来るようになる。効果が出る前段階の反応で効果がある証拠」と言いたいのだと思います。商品を売らんがためのいい加減な説明の可能性があります。使用を中止して医師の診察を受けて下さい。その際、その健康食品の利用について医師にご説明下さい。
Q10.ビタミンB1やB2等のB群ビタミンは水溶性なので、必要量以上を摂っても排出され、摂り過ぎによる健康障害の心配はないと聞きましたが、本当でしょうか。
A. B群ビタミンの中には、過剰摂取による健康障害が報告されているものもありますので注意してください。 国による「日本人の食事摂取基準 (2025年版)」 では、B群ビタミンの中で、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸について、「耐容上限量」 (健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限) が設定されています。
Q11.どのような健康食品を選べばよいでしょうか。
A. テレビや新聞で健康食品に関する情報があふれています。その中には、間違っているものや大げさなものも少なくありません。薬剤師や栄養士、そしてサプリメントのアドバイザーリースタッフ (例:食品保健指導士)など信頼できる身近な専門家に相談し、正しい情報を知る事が大切です。医師の治療を受けている人は、医薬品との相互作用が考えられるので医師または薬剤師に相談してください。
Q12. 健康食品を1年分まとめて購入したり、定期的に届けてもらうと価格の割引があるといわれましたが1年分購入したほうが良いのでしょうか。
A.ある程度の期間(4週間ほど)試された上で、判断されてはいかがでしょうか。大量に購入した製品で期待した効果を実感出来ない場合は無駄になります。なお、定期購入については、解約や返品、返金などについてのルールを良く確認した上でご判断下さい。
Q13.健康食品はどれくらい持ちますか。
A. 賞味期限がパッケージに記載されていますので、確認してください。賞味期限は、未開封で適切な状態で保存されている場合に目安となる期限です。開封後は、しっかり封をして冷暗所で保管するなど、適切な取り扱いが大事です。その上で、1日の摂取目安量を守りながら、できるだけ早くお召しあがりいただくことをお勧めしています。
Q1 <乳酸菌を多く含む健康食品> 乳酸菌を効率的に摂取することを目的として、乳酸菌サプリや乳酸菌飲料など、乳酸菌を億単位で含有している食品がありますが、1回の食事で乳酸菌を大量に摂取しても問題はありませんか?
回 答
- 乳酸菌だけに注目すると、大量に摂ってもあまり心配される必要はないと思われます。
- 乳酸菌は大量に摂取したとしても、体内に蓄積されることはなく、そのほとんどは排出されてしまいます。ただし効率的な摂取とは、適切な量(製品に表示があれば、その摂取目安量)を継続的に摂取することだと思います。
- 一方で、乳酸菌を含む食品を大量に摂っても良いというわけではありません。こうした食品には脂質や糖質が多く含まれていることもあるので、継続して大量に摂ると肥満、 糖尿病、高血圧といった病気に繋がる可能性があります。
- 従って、問題なのは、「脂質や糖質を摂り過ぎること」と言えます。
- なお、乳酸菌サプリの場合は、摂取目安量をお守り下さい。すでに述べたように、摂りすぎはあまり意味がありません。
Q2 <カルシウムを多く含む健康食品> カルシウムは、強い歯や骨の形成や健康維持など欠かすことのできない成分ですが、一方で、摂取しすぎると体内に沈着を起こし、関節痛、結石、動脈硬化などを引き起こすとも言われています。普段の食事と併せてカルシウムを多く含む健康食品を摂取しても問題はありませんか?
回 答
- ご質問のようにカルシウムの過剰摂取により、健康上の問題が生じることが報告されて いますので、注意が必要です。
- 国の資料(日本人の食事摂取基準 2020 年版*)では、カルシウムの摂り過ぎによって起きる障害として、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織(追記:血管等)の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などが挙げられています。
- なお、日本人の食事摂取基準2020年版では、そのレベルの摂取で問題となる健康障害が みられない量(耐容上限量)として、2,500 mg/日が設定されています(成人のみ)。
- ご自身の食生活で不足気味とお考えの場合は、カルシウム補給を目的としたサプリメン トを、摂取目安量を守った上でお摂り下さい。ただし、乳製品を含めてカルシウムを強化した食品が多く出回っていますので、こうしたものを何種類も摂取すると、意識しない内に摂り過ぎてしまう場合があります。製品の表示を良く確認して下さい。
* カルシウムの過剰摂取による障害や耐容上限量については、2024年10月に公表された 「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」策定検討会報告書でも同様の記載となっている
Q3 <ビタミンCを多く含む健康食品> 大量にビタミンCを摂取しても、体は効果的に吸収できず尿として排出されてしまうと言われていますが、その場合、ビタミンCを多く含む健康食品を摂取しても効果がないのではありませんか。
回 答
- ご質問のように、ビタミン C は水溶性ビタミンですので、体内で不必要な分は尿から排泄されてしまいます。従って摂りすぎの心配はあまりないと言えますが、ごくまれに空腹時に大量(数グラム以上)に摂ると一過性の下痢を起こす場合があるとされています。
- 何らかの効果を期待するのであれば、たまに大量に摂取するのではなく、適切な量を継 続的に摂取することをお勧めします。
- 一方、一般的に言われている必要量以上は全く無駄かと言うと、そうでもないようです。 インターネット上で、“ビタミン C は喫煙、大気汚染、ストレスへの対応や免疫活動など、日々の生活の中でも消費される。また、腸内細菌を活性化させながら排泄されていくので、たくさん摂ったビタミン C が無駄になることはない。”との専門家による説明* もありました。従って、個々人のライフスタイル、ストレスの大小によって、その人自 身の適正量は変わってくると思われます。
* https://www.vit-c.jp/QA/q_and_a.html
Q4 <健康食品の正しい摂取方法> 「脂肪を代謝する力を高める」等を謳った飲料(「A茶」や「B茶」)を、食事を食べすぎてしまった時にだけ飲んでも効果はありますか? 普段から継続して飲まないと効果がないと思っていますがその認識であっていますか?
回 答
- 「A茶」と「B茶」はいずれも国がその有効性・安全性を審査して、効能表示を認めた特定保健用食品です。どちらも継続的な利用が望ましいと言えます。もちろん食生活の改善も必要です。ただし、両者は効果を発揮するプロセスが異なると言えます。
- 「A 茶」は体脂肪を分解する酵素を活性化することで、一旦付いた体脂肪を減らすことが期待出来ます。国が審査したヒトを対象とした臨床試験結果(継続摂取)を見ると8週目から効果が見られています。従って、好ましくない体の状態を改善方向に変化させる効果と言えるでしょう。
- 一方、「B 茶」では、国が審査したヒトを対象とした臨床試験結果(単回摂取)を見ると、食後の血糖値上昇や中性脂肪上昇を抑制する効果が見られています。食後の血糖値上昇や中性脂肪値上昇が繰り返されると、健康診断で「血糖値高め」や「中性脂肪値高め」といった状態になる可能性が高まりますので、「B 茶」の効果は、「食事の度に繰り返されることで好ましくない状態に繋がる変化をその都度抑制する効果」と言えます。
- 従って「B 茶」で審査されたのは単回摂取試験の結果とは言え、糖分や脂質の摂り過ぎ になるような食生活を日常的に送られている場合は、食生活の改善も意識されながら継続的な利用が望ましいと言えます。週末だけドカ食いするので、週末だけ利用するというのも一つの考えですが、ドカ食い自体を避けられる方が宜しいかと思います。
- まとめると、どちらも継続的な利用が望ましいと言えますが、両者の効果の特性に基づくと「A 茶」は“現状の改善目的”、「B 茶」は“予防的”側面が強いと思います。
Q5 <完全栄養食> 近頃、「完全栄養食」というものをよく目にしますが、これも健康食品になりますか?また、「完全栄養食」に危険性はありませんか?
回 答
- 法的には「健康食品」の定義はありませんので、お答えしようがありません。
- “納豆は健康食品だよね”と言う方にとっては、納豆は健康食品かもしれませんので、人それぞれかと思います。
- “「完全栄養食」の危険性”を“「完全栄養食」の安全性”と言い変えますが、2つの視点 が必要です。
- 一つ目は、食品としての安全性。製品を製造している事業者が食品として安全と思われる原料を用いて、適切な製造管理・品質管理のもとで製造・出荷し、適切な流通環境を経て消費者に届く場合には、心配される必要はないと思います。これは加工食品全体に 言えることです。ただ、不幸にして業者の悪意、悪意がなくとも未熟さのため、前述した条件を満たさない製品が流通する可能性は否定できません。健康食品に限らず、食品の摂取にゼロリスクはないと認識する必要があります。とは言っても日本において、こうしたリスクは非常に低いと思います。
- 二つ目の視点は、「完全栄養食」の“完全”についてですが、「完全栄養食」について明確な法的定義や条件があるわけではありません。完全栄養食と謳ったある製品の販売業者による説明を見ると、国が定めた栄養素等表示基準値に基づき、過剰に摂取しやすいとされる脂質や炭水化物などを除く29種について1日の必要量の3分の1以上を含むものを「完全栄養食」と定義しているようです。